五井昌久の世界平和の祈り

人間の真実の姿は、業生ではなく、神の分生命(分霊)であって、常に祖先の悟った霊である守護霊と、守護神(天使)によって守られているものである。この世の中のすべての苦悩は、人間の過去世から現在に至る誤った想念が、その運命に現われて消えてゆく時に起る姿である。いかなる苦悩といえど、現われれば消えるものであるから、消え去るのであるという強い信念と、今からよくなるのであるという善念を起し、どんな困難の中にあっても、自分を赦し、人を赦し、自分を愛し、人を愛す、愛と真と赦しの言行をなしつづけてゆくと共に、守護霊、守護神への感謝の心を常に想い、世界平和の祈りをつづけてゆけば、個人も人類も真の救いを体得できるものである。

世界人類が平和でありますように

日本が平和でありますように

私達の天命が完うされますように

守護霊様ありがとうございます

守護神様ありがとうございます

五井先生ありがとうございます

人間社会に渦巻く我欲の想いには凄まじい勢いがあり、一度社会人になったらいつの間にか「大切な何か」を忘れ、自分が本来何を求めていたのかさえ分からなくなるのは必定と言えるであろう。悪い想念が行為として現れ、その結果さらに悪い想念を生むという水平方向の悪循環を断ち切るにはどうしたらよいのか。悪い因縁を消し去り、結果として心身を効果的に癒す方法があるとすれば、私たちが幽玄微妙な霊的エネルギーに繋がり、それを垂直方向に降ろして来るということになろう。だが、実際どうやれば出来るのか。業(カルマ)の波を打ち消すことができる覚者はこれまでにもいたものの、一般人が簡単に到達し得る領域の能力ではないため、基本的にはその覚者の恩寵に与る、悪く言えばひたすらすがる以外に方法がなかったのではないだろうか。そこへ登場したのが、白光真宏会(びゃっこうしんこうかい)を主宰した五井昌久(1916-1980)の世界平和の祈りであった。五井師は難行苦行を否定はしないが、現代人に必要なのは誰にでも実践できる易行道であると説く。世界平和の祈りを一心に唱えることで、根源から来る精妙なエネルギー、すなわち「救世の大光明」に心を繋ぐことになる。それを中継してくれるのが、私たち一人一人の神性への道を最初から最後まで導いてくれる守護霊・守護神の存在である。西洋にも守護天使やハイヤーセルフとの協働という教え方があるが、守護霊・守護神への感謝を中核に据えた宗教というのは他で聞いたことがない。今となっては、私たちの人格の小さな想いの力で人間社会を矯正して行くことが困難なため、むしろ祈りによってすべてを守護霊・守護神の働きに一任し、思い煩わずに明るく朗らかに生きて行く方がよいとする。無論私たち個々人の人生問題も然り。世界平和の祈りは白光真宏会に入会しなくても誰でもでき、またいつでもどこでも実践してよいことなので、やたら多くを期待するのはよくないが、まずは試してみてはいかがだろうか。

※さらに理解を深めるためには、全十三巻の『五井昌久全集』がある。