成長という言葉は人生の重要な要素として語られることが多い割には、成長するとどうなるのかという具体的なイメージをあんまり伴わないのではないでしょうか。成長したいと思わない人は成長しないものです。しかし、成長したいと思っても、実際に何をどうすればいいのか教えてくれる人は少ないのではないでしょうか。スピリチュアル業界では、神秘的な体験をしたりして何らかの状態に辿り着いたことが強調され、そこから成長が始まるという発想がなく、大きな声で言うべきじゃないかも知れませんが、スピリチュアルを知らない一般人から見て立派で尊敬できるティーチャーさんはあまりいない気がします。それよりも、変な話になりますが、不幸な出来事を乗り越えた人が、明らかに人間的に成長したと周囲に感じさせる場面を、多くの私たちが経験すると思います。成長のチャンスは災難の仮面を被って登場するケースが多いので、それに気づいて感謝できるなら最高です。要するに、自分さえ良ければと思うエゴの力が、ある出来事によって強制的に弱められるという経験は貴重です。が、私が思うにそういう機会を望んではいけないと思います。人生がわりかし順調に行っている時にこそ、エゴの力が強くならないように自分で努力するのが理想のあり方です。神秘的な話というのは面白いので、興味を持てばどうしてもそっちの方向に流されて行きますが、スピリチュアリティの本質は最も身近な態度に見出せると思います。