宗教と哲学の違いは何ですかと問われれば、とりあえず違いはありますとは言えるものの、ハッキリと線引きするのは難しいように思われます。スピリチュアリティは一対一の対話が基本です、と言ってはみるものの、よく考えてみれば哲学も対話形式からスタートしているわけです。とは言え、哲学は言葉を道具に使う知性の範疇のもので、本を読んで一人で考えるのが基本スタイルであり、誰かから誰かに直接伝えなければ成り立たないものではないわけです。一方で、宗教は一人で経典を読んでるだけじゃダメなのかと言うと、必ずしもそうではありません。しかしながら、宗教の本質は知性の範疇にはない、というのが決定的な違いだと思います。私の経験から言いますと、本物のティーチャーさんほど教えを文字にした時にその真意が伝わらないものです。逆に言えば、哲学書を読むのとは違って、本物のスピリチュアリティについて書かれた本を読む時は、頭で考えるだけではその真意が掴めないという前提に立つべきだと思うんであります。極論すれば、話として完結していて、分かり易くまとまっているような内容には気をつけた方がいいと思います。こんなことを言うと哲学を軽く見ているように聞こえてしまうかも知れませんが、あいのほしの立場は逆でして、もし人生について疑問があるなら、誰のためでもなく自分が納得するために、気が済むまで哲学の勉強をすることが必須だと考えております。その後でスピリチュアリティの道に入るなら入るのが健全だし、それこそ話が早いんであります。