若い頃にある先生から「広い世界がある」と教わったんです。ブルジョワ的な世界を毛嫌いする人が案外多いようですが、邸宅の内装に使われる調度品とか一流の宝飾品などを、変な先入観なしになるべく多く見るようにして、美的感覚を養うのがいいのです。卵が先か鶏が先か、富裕層には心の豊かな人が多いというのは一つの事実であります。教養が幅広いほど楽しみも増えるからであります。それと同じように、精神世界にも広い世界、もっと言えばより良い世界が確実に存在しています。ある一つの分野を究極とし、他のことはよく知りもしないのに全否定するスピリチュアルティーチャーさんがたまにいらっしゃいますが、知らないとは恐ろしいことだと思います。心が成長し、より繊細で美しいものに触れられるようになると、その分だけより崇高な教えがあることに気が付くようになります。で、それまで学んで来た教えを全部手放すということも起こり得ます。より良いものを認識したがために、それまでのものに取って代わるわけです。心が純化されて行くのが正しい方向だと思います。よその組織がいいとか悪いとか、否定性や競争意識のようなものは自然に落ちて行くんであります。一つの見方にこだわらず、いろんな本を読んで学ぼうという姿勢が大事なんじゃないかと思うんです。それで最終的に、自分に一番合っていると感じるものを選ぶといいと思います。