孤独

一人は寂しいものだというのが、ごく一般の社会通念ではないでしょうか。友達は多い方が幸せだというのは、本当にその通りだと思います。ですが、孤独は不幸なものだとか、どのようなことであれ、決め付けてしまうことはスピリチュアル的に見てよくないことであります。ご存知の通り、社会通念的な決め付けによって心を縛られ、苦しんでいる人が多いんであります。そう思わなきゃいいと聞かされたって、どうしてもそう思えてしまうから苦しいんであります。では一体どうすればいいと言うんでしょうか? 中村天風さんの「孤ならず」という言葉がありますが、これは「宇宙の根本造化力は常にあなたの味方なんだから、決して自分は一人だと思っちゃいけないよ」というような意味であります。実際そういう信念が出来た人は自由自在に生きていられると思います。とても難しいことのように聞こえるんですが、人間こう思おうと自分で決心すれば、本当にそう思えるという原理が働くことを、まず理解しなければなりません。すると、そうなれるのです。何がどうであれ、明るく楽しい気持ちで生きて行くことが幸せであり、そのように命を生かし切ることが私たちの義務である、これは理屈ではありません。人間の幸せを大切に考える場合、それが真理であります。幸せなど関係ないと考えるならその限りではありません。持って生まれた条件が違うので、いわゆる運命がどれだけ拓けるかは人それぞれ違いがあります。死んだらおしまいと思うなら、早いこと諦めてしまった方が、無駄な努力をしないで済むから得だ、という結論になるでしょう。だけど、永遠の命ということを信じられるなら、石ころに生まれたらどんなに頑張ってもルビーやエメラルドにはなれないと分かっていても、磨けば綺麗な石ころにはなれる、ということに意味が出て来るんであります。