特別という概念は私たちの日常生活の一部になるほどありふれていて、特別な才能とか特別な品のように良い意味で使われる場合と、特別意識とか特権階級のように悪い意味で使われる場合とがあると思います。普通、人や自分が特別だと言う時に、そこに何か問題があると思う人はあまりいないんじゃないでしょうか。ところが、自分は特別だという考えは、人や自分を傷つける極めて有害なものになり得ます。実際に並外れた能力のある人が自分を特別だと思うのなら、少し有害ではあるものの実体が伴っているからまだマシです。ところが子供の頃から特別扱いされて育った人が、実際には平凡であっても自分を特別だと信じる場合があります。無論親は良かれと思って褒めたつもりなのでしょう。だけど突き詰めれば、実体のない特別意識を持った人は社会にとって有害であり、それは人種差別や階級闘争の元となっております。あなたは人より優れているという刷り込みよりも、あなたは人より劣っているという刷り込みの方がさらに有害であり、いわゆる独裁者と呼ばれる人はこのタイプが多いと思われます。精神世界では、あなたの意識レベルは高いとか、あなたの魂はどこ星の出身だとか、実体がないと思われる特別意識を植え付けられる場合があり、そうするといわゆる特権階級とまったく同じように、平凡なものごとに満足しなくなり、自分には不思議な出来事が起こるのが当たり前で、もっと特別な人生になるべきだ、と本気で思い込むようになるのです。これが問題だと気づく人の数は徐々に増えて来ていると感じます。