命の持つ輝きが尊いものであることは誰もが認めるところではないでしょうか。例えば青春は一般的に輝きと結び付けて考えられており、いわゆる心に垢が積もることで失われて行くということは、多くの人が直観的に知っていることです。輝きは知性としても身体的な美しさとしても芸術表現としても現れますが、どういう訳か年齢と共に衰えて行く傾向にあるわけです。芸術で言うと若い頃の作品が一番輝いていて、理論面でも技術面でも遥かに完成しているはずの晩年の作品よりも力を持っている場合が、絶対とは言いませんが多いと思います。難しく考え過ぎてしまうと輝きが鈍るというのが一つですが、根本を言えば、それはやっぱり人生を構築して行くに当たって、自分のことだけ考えればいいとか、自分を守るためなら他を傷つけることも止むを得ない、というような生き方に流されるからだと言えるでしょう。誰でも輝きを持っていることを誰もが知っているんですが、使い方を間違っている人が多いという感じかも知れません。世界平和の実現を楽観視する覚者が結構いらっしゃいますが、私たちが世俗的な方面に使っている力を、ただ単に別の方面に向け直せばいいだけだと知っているからなのでありましょう。私たちは何であれ望みを実現するだけの輝きを与えられているのであります。