昔の映画じゃないですが、容姿も才能も経済力も自分よりも遥かに優れた同年代の人に出会うことで、それまで思いも寄らなかった惨めな気持ちが出て来る、というようなことはあり得ます。そこが人間の心の難しさで、それまで散々努力して心を磨いて、一頃前と比べるとものの考え方も完全に違っていると自分では思っていても、ある人に出会い好きになるとか嫌いになるとかすることで、すべてが元の木阿弥になるということがあります。つまり、努力の甲斐も虚しく同じパターンを繰り返していることを発見するわけです。人と自分を比べることが誘因になることが多いんじゃないかと思います。人と自分を比べる必要はないとか、比べちゃいけないと教えるティーチャーさんもいらっしゃいますが、私が思うに、比べると言うか現実を見ること自体はいいことです。素晴らしい人、尊敬できる人と自分を見比べて、現実どこが違うのか観察するのはとてもいいことだと思います。逆に、スピリチュアルティーチャーさんが取り巻きの人に「この人は特別だから」とか「とても敵わない」とか「同じようになれっこない」とか思わせてしまったら失敗だと思うんです。自分がいかに駄目かを認識するためじゃなくて、どうしたらもっと良くなれるかという方向で比較検討する態度を身に付けることが大事ではないでしょうか。誰かより上になるためじゃなくて、自分にしかない何かを磨き出すために使えるはずです。