スピリチュアリティについて誰もが押さえて置くべき基本というのがあるんでしょうが、それを言い出すとすぐに宗教的なドグマが出来上がってしまうのが難しいところです。良かれと思って作った規則が精神の自由を束縛し始めると、人間社会はあらぬ方向に行ってしまいます。私たちが生きているのには目的があるということを理解することが重要です。だけど、あなたの役割はこれです、と他人に教えられるのではなく、自分でこうだと分からなければ何の意味もありません。一人一人に割り当てられた固有の役割があり、スタート地点からしてそれぞれ違っているので、全員一律に同じ人生哲学を押し付けられるのではなく、自分の道を自分で見つけられる教育環境を、チャンスとして与えられるのが理想なんだろうと思います。勉強であれスポーツであれ芸術であれ、あるいは伝統宗教であれ、何でも一通りやってみることが出来る環境があれば、自分のやりたいことを自分で見つけることが出来ます。一方、身体的にであれ精神的にであれ、あるいは家庭環境であれ、自分で選ぶ余地があんまりない束縛の中に生まれついている人もいます。そんな中で自分がやるべき義務を果たしながら、精神の自由を得るためにスピリチュアルな道に置かれていると言っていいでしょう。普通は、人間やりたいことを自由にやるのがいいに決まってます。実はそれが、「自分がやった」という自意識を満足させるためではなく、完全調和のために誰もが自分の仕事を捧げているんだということに、今この人生を生きている間に気づけたら最高だと思います。