インターネットの普及によって情報を得るスピードが飛躍的に速くなったり、遠く離れた人たちと気軽にやり取り出来るようになったりしています。図書館に調べものに行ったり、船便や航空便で手紙を出していた時代と比べると、何かを「知る」という行為に時間が掛からなくなったと言えるでしょう。なんですが、インターネットの使用でコミュニケーションの質が向上したかと言うと、まったくそんなことはないのではないでしょうか。オンライン上のコミュニケーション能力というようなものはないと言いますか、普段の家庭や学校や職場で良い人間関係を築きにくい人がオンラインで不特定の人とコンタクトすると、良い関係どころか犯罪に巻き込まれる危険の方が多いと思います。ユーチューブとかをやるにしても、オフラインで友達を作り易い人、友達を大事にできる人、自分をさらけ出せる人が成功し易いと思います。逆に言えば、始めから経歴を盛ったり偽ったり、イメージを作り上げようとしながら活動する人は、長い目で見たら必ず失敗すると思います。私自身人に好かれるタイプじゃないので偉そうなことは言えないんですが、虚構の上にほんとの人間関係なんて築けるはずもありません。インターネット上でやたら批判的なコメントをする人を観察してみますと、自分の考えに合わない考えを攻撃する感じで、頭の中のおしゃべりと言うか相手がいることを想定できておらず、そもそもコミュニケーションの次元にいないように思われます。思考の中に閉じ籠っているために、現実に何が起きているのか把握できていない状態ではないでしょうか。結局、インターネットはオフラインの世界を代替する手段には決してならないのであります。