心理学と宗教がお互いを補い合うというのが理想的な行き方だと思います。心というのはいわゆる物質と同じように取り扱うことはできないので、いわゆる科学的研究方法をそのまま適用することはできないわけですが、実証的に進めて行く必要があるという点では、科学もスピリチュアリティもまったく同じだと思います。反証可能性と言うそうですが、ある仮説を立てたら、それを証明する方法と共にそれに反証する方法をもあれこれ同時に考えつつ、実証的に研究することが大切だそうです。ところが心理学も宗教も理論が先行するきらいがあり、反証されかねない新しい事実を好まない傾向が、みなさんもご存じの通りあるようです。断言する根拠は?と聞くと、だいたいが「高名な先生がそう言ったから」という理由なのです。心理学から行くにしても宗教から行くにしても、自分の人生を通じて実証するという心の態度が必要ではないでしょうか。自分で体験し得ていない理論について「これはこういうことなのです!」と断言してはいけない、というのが当たり前のようで重要な態度だと思います。集合意識のようなものがある、というのが理論だとすると、自分の心もその集合意識に繋がっていることになります。集合意識の中にある特定の情報にアクセスする方法があるはずで、そういう事実を実証的に自分で体験し得てはじめて、生きた知識になるのではないでしょうか。(既にスピリチュアリティを学んでいるみなさんが)これから心理学を学び始めるなら、まず前段階としてケン・ウィルバーさんの『万物の歴史』が、西洋の学問の発展を概観するのに役立つと思います。でまず最初に、ハコミセラピーとプロセス指向心理学の基本的な手法を先に身に付けてしまうことをおすすめします。それから、ウィーン学派と言うんでしょうか、アドラーさん・フロイトさん・フランクルさんがそれぞれ顕在意識・潜在意識・霊意識に対応している、と大雑把ながら見ることができるので、三人の著作を満遍なく読みながら、心理学の知識を人生にどう生かして行きたいのか、(偉そうな言い方で申し訳ありませんが)自分の頭でよく考えて方向性を見極めるといいと思います。