やるべきこと

人生でやるべきことは何だろう? というのはスピリチュアル業界でもよく議論される話題の一つであります。まず、やるべきことなど別にありはしない、と考える人たちがいます。虚無主義と言ってよいものでしょう。次に、人の迷惑など構うものか、やりたいことを好きにやってこそ我が人生、と考える人たちがいます。これは昔から、反抗期の若者にアピールするんであります。次に、人の迷惑にならない限りにおいて、人生やりたいことをやればよいと考える人たちがいます。言い換えれば、人に迷惑をかけない範囲内で楽しみを見つけて行くことが人生でやるべきことというわけで、これが一般人における自由の概念と言えるのではないでしょうか。最後に、世のため人のためになると思う仕事を、見返りを求めずに神様に捧げるべきだ、と考える人たちがいます。なぜ仕事を神様に捧げるのかと言いますと、何が本当に世のため人のためになる行為なのか人間の頭では分からないので、その結果は神様にお任せしますよ、という意味なのであります。その人のためを思ってしたことが、結果的にその人をダメにしてしまうこともあるのが、人間の愛情というものなのです。なので、見返りを期待しちゃいけないよと言われるわけです。もちろんスピリチュアルなのはこの最後のカテゴリーだけです。私たち一般人の目には、自由のない生き方のように見えるのです。その理由が実は、私たちが本当の自由を理解していないからに他なりません。有名な自己啓発の本にはたいてい、「誠実になる」ことより、「どうやれば誠実そうに見せられるか」という、表面的なイメージを操作する方法が説かれていたりします。そのものズバリを掴むより、「なんちゃって」みたいなのが商売としては一番うまく行くと信じて疑わないからではないでしょうか。スピリチュアル業界がそれとまったく同じような状況にあるのは、ある意味当然といえば当然のことであります。多くのティーチャーさんが戦略やテクニックは必要だと考えており、そのものズバリをやると損をすると思い込んでいるようなフシがあります。