魂の成長という表現は、精神世界では何気によく使われますが、それが本当は何を意味するのかは結構謎だったりします。具体的に何をどうすれば魂の成長に繋がるのでしょう。魂が成長したことを示す兆候はあるのでしょうか。超常的な能力が出て来たり、ものごとが急にうまく行くようになれば、魂が成長した証拠だと言えるでしょうか。一つには、成長というものを認めないというか、全否定する考え方もあります(現世否定的な伝統)。そういう感じの教えをするティーチャーさんご自身が、新しい知識や経験を拒否する生き方をされているのなら、言っていることとやっていることが一致しているので、問題はありません。そうでないのなら、その考え方は間違っていると言わざるを得ないでしょう。子供を見ていれば一目瞭然ですが、私たちには新しい知識や経験を積極的に獲得して行こうとする自然的傾向があります。「何も足さない、何も引かない。ゼロのままがいい」なんて言う子供を見たことはありません。そういうことを言うのは哲学者か宗教家だけではないでしょうか。だけど、成長するということを哲学的に言い表そうとするとひどく難しいわけです。神様の方向に行く、とか全体が調和する方向に働く、とか言葉にするとすごく簡単なんですが、分かるようで全然分からないわけです。かく言うあいのほしそのものが、今思い返せば笑ってしまうような、訳の分からない大げさな概念で世の中に貢献しようと頑張っていたんです。結局のところ、本当に人に喜んでもらえる、いやすべての存在物に喜んでもらえるような生き方を具体的にできなきゃ、スピリチュアルな概念は何の意味もありません。別の言い方をすれば、自分の幸せがすべての人の幸せに繋がって行くような立派な生き方ができるようになることが成長だ、と言えると思います。そこに結び付いて行かないものは、すべてこだわりということになります。スピリチュアルが意味のないこだわりになってしまっている場合が多いように思います。成長したいと願うなら、余計なこだわりをすべて手放すことが必要なように思います。